はしなぎの日記

趣味のブログ(まっつー)

「さよならの朝に約束の花をかざろう」見ました。

さよならの朝に約束の花をかざろう」を見ました。

 
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※ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 


一言で言ってしまえばとても良い話⋯作りこまれていました。

色々な登場人物が出てくる中でそのどれもが深い関係性を構築していました。それは、長い年月を生きるイオルフと短命な人間との対比を描く上でとても重要な、複雑に絡む人間関係になっていました。

 


私自身考えがまだまとまっておらず、ストーリーが前後する形で言いたいことを言ってしまうと思われるので、それはすまん。あと考察も何も見てないです。あとで追記するかも。

 

 

私は「望まぬ妊娠をする女の子」が地雷です!なので最初の救出作戦でレイリアが既に王子の子を身篭ってると暗に示されるシーンで私は⋯深く絶望しました。
「"泣ける"ってそれ感動じゃなくて悲しみに暮れてるってことかよ!!」
心の中で叫びながらその瞳には静かに涙を湛えていました。

 

しかし⋯レイリアは娘のメドメルを心の支えにし、その苦しみに踏ん切りを付けられているんですよね。

 

最後の救出作戦で、助けに来たクリムではなくメドメルを選択し強く抱き締めたいと言ったシーンでは、いつまでも過去に縛られていたクリムと、囚われることによって逆に現実に目を向けることができているレイリアとの対比が眩しかったです。

 

レイリアと同じようにマキアもエリアルを育てることによる色々な経験から、村を襲った悲劇以降でとても成長を感じられ、やはりクリムの復讐に燃えるその姿からはあまり成長が感じられず、クリムは悲しい結末に終わりました。


もちろん、あまり描かれてはいませんでしたがクリムにも反乱を起こす上での苦悩や葛藤はあったことが予想されるわけで一概には言い切れませんが、初見ではそういった印象が残ってしまいましたね。

 

 

映画という限られた時間の中でどこに時間を割くのかというのはとても重要で、冒頭にも述べたように序盤から終盤で無駄なところが一切無いですよね。


頼りになる軍人としてのラング、エリアルの結婚相手としてのディタ、というように時間を節約する上でキャラとの出会いのストーリーを省き、観客に誰なのかをすぐに分からせるためにも使い回すことはとてもいい。これはイオルフと人間との対比を語る上でも大事で、人間の子供時代から大人への変化を同じキャラを見ることによって視覚的に捉えられますし、その年月を経てレイリアやクリムは外見は似通えど心境の変化はあるわけで、とてもクリアな対比ができているように思います。

 

最後のマキアがエリアルを看取る(?)シーンでも、最初にマキアを映すことによってどれだけの年月が経ったのかすぐには判別がつかないことも、人間との対比ととることが出来ますしね。

 


タイトルでも語られている「花」ですが、冒頭のレナドがやってくるシーンの青い花、飛んで最後のたんぽぽの花、しか確認してないけども、「連綿と紡がれる命」みたいなのを表してるんですかね。ありきたりすぎるけどそれしか浮かばないんですよね。

 

物語的に母と子の繋がり、というものを前面に押し出している印象なので、その繋がりはまるでたんぽぽの綿毛のように⋯という情景が浮かんでくるんですがそれでいいんだよね。読解力をくれ。

 

 

あとは細々としたことになりますが、ドレイルでエリアルが城の兵士に志願した直後、マキアに暗い魔の手が差し掛かるシーンでも、レイリアが激昂しイゾルにマキアを連れてくるよう命令する場面を見てからではマキアがさらわれたとしか思えないし、その後のエリアルとラングの会話でイオルフが捕まったという噂も完全にマキアがさらわれたと思うには充分すぎる情報だったので、完全に騙されましたね。クリムがまだレイシアを諦めていなかったことに驚きでしたし、今更マキアを攫うというのも理由付けは簡単でもメリットを感じられませんしね。

 


それと、冒頭シーンや最初の救出作戦で現れる旅の商人バロウ。こいつもイオルフ、しかもハーフであることが明かされるわけですが、なぜ同じハーフであるはずのメドメルはイオルフでは無かったのかとても疑問に残りました。
もちろん男女による差が関わる繊細な話であったと言われれば頷きざるを得ません。それに、作中で長い年月が過ぎる中で、純粋なイオルフであるマキアとハーフのイオルフであるバロウでは、バロウの方がかなり歳をとるのが早いようにも見えました。血が薄くなるほどイオルフとしての力が弱まるっぽいので、なんというか、この疑問には適当な理由付けでどうとでも言えてしまいそうなあやふや感がありますね。

 


織った布で言葉を交わせるのはとても興味深かったです。序盤で見えていた幾重にも連なるあの布─ヒビオル─は、イオルフという種族にとってのとても大きな歴史書だったんですね⋯。
世界には方位磁石がなくとも方角をピシャリと当ててしまうような、他に類を見ない感覚器官を持った人間がいるらしいので、布で文字を交わすというのもあながちない話でもないんだろうと感心しました。

 


エリアルがいつ死ぬかとヒヤヒヤしてました。死のうが死ぬまいが終わらせ方はいくらでもあるし、なにより岡田麿里は人を殺すことに疑問を抱かなさそうなので()とても怖かった。

 

 

 

とても面白かったです。
地雷を踏み抜かれてからは1瞬1秒気を抜けずに、この先予想される鬱展開に身を強ばらせながら見る映画はこれ以上ないくらいに楽しめましたし、私も、何も無いヒビをオッていかないとなぁwと考えちゃいます。

パンフ完売してたんだよね⋯ま〜じで欲しいんだが。
また何か思うことがあれば追記しますね。

 

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